今までにはなかったこと。

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今までにはなかったこと。

バーから出てふと歩いて帰るわと言った妃菜子はイヤフォンを用意した このまま頭を冷やして好きな曲をきいて洗い流したい。 明後日帰る覚悟をして今日は今日として置き去りたい。 妃菜子「寒いからタクシーでおかえり」 陽向「いや、大丈夫」 妃菜子「何がよ……」 そう言いながら過去のグダグダと話をした 過去の恨み言、高校時代、冬道を歩いて帰った時寒すぎて指先が死ぬかと思った事他にも色々 手が触れるような距離で触れること無く 互いの肩だけが触れ合う。 妃菜子「ねぇ、なんで着いてくるの?」 その問いを境に妃菜子は10メートルほど距離を図る そこは地元で1番有名な橋の上。 その時後ろから躊躇いを含んだ声が飛んできた 陽向「家までこんか?」 妃菜子「行かないよ、誰かさんとの愛の巣に居たくないもの!」 間髪入れずに返事をした これは理性、これは素直な気持ち でも気持ちが簡単に揺らいで、少しは期待する 拒否したのは関東に行った妃菜子。 期待したのは過去の妃菜子。 関東に帰るなら言う意味ないじゃん モヤモヤさせたくない……だから…… に対して 貴方に戻ろうとか好きとか言われたとしても 答えは決めてるの、断るって。 その為に関東に出て、地元を離れて 強くなって大人になるって決めたから 貴方の前じゃまたまだ子供で、まだまだ未熟で、貴方の求めたものはきっと成り立たないから。過ごすうちに昔みたいになって またがあっても、また同じになるから。 貴方のこれかも……はきっと はは笑ずっと一緒にいれればいいのにね笑 程度であって、その言葉に意味を持たせて期待したのは過去の私 でも貴方があの顔で言葉を詰まらせて 察して?今は言っていい言葉じゃない、飲んで言っていい言葉じゃないし、シラフじゃ…… って言ったのは十分期待を持たせる要素はあったと思うわ 色んな言葉を堪えながら少し黙って歩いていった。
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