ブランコと私

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 「おばさんはいつからここに住んでるの?」  数分前の沈み込んだ頭はすっかり持ち上がり、少年は次々に私に質問をした。  「数日前。」  私は答えた。  「いつからお外に住んでるの?」  そう少年に聞かれ、私は答えに詰まった。いつから家がないのか。覚えていない。  「わからない。」  私がそう答えると、意外にも少年はあっさりと、そっかと相槌を打った。相手はまだ子どもだからなのか、家のない私に向ける目は普通の目をしていた。
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