ノロイ

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ノロイ

 森だった裏山は、不気味な姿に形を変えていた。暗闇の中、森のシルエットは木々の葉に絡まる生い茂った(つた)が長い髪の毛のようだ。防空壕の直ぐ上に二つの小さな光が灯る。俯瞰して見れば、あの化け物が口を開け地面に蹲っている姿に見えた。  防空壕から凍てつくような笑い声が、暗く静かな校庭にヒ、ヒ、ヒ、と漏れ聞こえる。  次の瞬間、洞窟の入り口がバダンッと崩れ落ちた。というより巨大な化け物の口が閉じられたと言ったほうが正確かもしれない。  すぐに静寂が戻る。  静けさの中で、ピチャピチャ、ジュルジュルという音だけが響いていた。    了
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