第1話 人生の下書き

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 千鶴さんは現在パソコンに向かって一生懸命作業をしているようなので、もう少しお店について説明することにする。  探偵喫茶は火曜日を除き午前十時から午後七時までの営業となっていて、喫茶スペースの営業時間は十一時から三時までの四時間だ。  僕は喫茶店の接客と事務仕事をメインにしていて、午後四時以降はあまり忙しくない。  それに対して千鶴さんは、探偵業と執筆業も並行しているので、常に何かをしている状態だ。  探偵の依頼があればそれを最優先にして動き、喫茶スペースで紅茶の注文が入ればそれを用意し、お客さんが多くなればウエイトレスやレジ係などもやってくれる。  執筆業は特に何もないときにせっせとやっているようで、千鶴さんはこの三つのお仕事をとても効率よくこなしている。  そのどれもが千鶴さんにとってやりたいことのようで、大変そうな素振りを見せることはまったくない。  毎日充実したご様子だ。
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