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「どーしたのー? 山登さぁーん。面白かったのに」  トイレに駆け込み、情けなくも自らの手で放出した俺。映画なんか見る気はとっくに失せてロビーで待ってるとこに、全部見終えた絆がニヤニヤ笑いながら現れた。 「うるせーわ。アホ。覚えてろよ。足腰立たなくなるまで犯ってやるからなっ」 「それはそれは。期待してるわ」  くそうっ、遊ばれてるっ!!  付き合い始めの絆の初々しさなんて、ほんとに、ほんの一瞬だった。  ああ、まあね。  わかってますよ。  惚れた方がね、弱いんだよ。  未来永劫の友達から見事に脱却できたものの、今度はいつそこから陥落しないかと怯えてみたりする日々だよ。  そしてこいつはそんな俺の心を知ってか知らずか。  試してるの? それとも、ただ単にそういう性格なの?  って行為をしかけてくんだよ。  まあ、ちょっと喜んでる俺も俺なんだけどさ。  俺、Mじゃねんだけどなぁ。  そのはずなんだけど。  ただっ!!  ただ断言するぞっ!!  絶対今晩寝かさないからなっ!! 
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