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「あ、あ、あぁ…、やあ、もっ…ぉ」 「…ああ…すげ、いい…」  絆の背中を抱くような格好で繋がった俺たち。  自画自賛するわけじゃないけど、俺と付き合い始めてからの絆は私生活が安定したせいか、それとも恋愛ホルモンの分泌がいいのか、元々綺麗だった肌には磨きがかかって、赤子じぇねえかってくらい肌理の細かさで、俺の胸と絆の背中の密着した部分が摺れるのすら、ヤバいくらい気持ちいい。 「……あ…んぁっ……あ、そこ…あっ……ああ、ん」     腰を送る度に鼻にかかったような甘い声が漏れるのに、たまらず白い肩に歯を立てた。 「あっ、ああ、山登っ…」  後ろ手を伸ばし、首を捻ってキスをせがむ絆の超ド級のエロさに俺自身が一層嵩を増す。 「ああぁ、絆、すげ、かわいい…」  辛いもん食ったのとは、やっぱ違うわ。  火照った顔も、湿った肌も。  何より、立ちのぼる匂いが、もう……。 「…ふ、ん…ああっ、んんンっ」  伸ばされる舌に舌を絡ませ、足らずに口腔へねじ込み、舌の根元を舐め上げ、吸い上げる。 「ンッ…んんっ」  クチュクチュといういやらしい音に、膝の上で揺れる腰に、煽られ、穿つ速度が自ずとあがる。 「ん…ぁ…ぁっ、ああああっ」  激しく揺することで、ほどける口接。  反動みたいに落ちる絆の首をすくい上げ、また舌を絡めた。  もう、泣きすら入るほど感じてる絆。  息も絶え絶えの体なのに、それでも必死に口づけに応える様は、いっそ健気ですらある。  『セックスの時にはキスを嫌がる』という元遊び人のそんな姿にあっさりイってしまいそうになったけど、ふと浮かんだ思考に、はからずも射精感が遠のくことになった。  決して健康的じゃないやつだけど、絆より先にイくのは不甲斐ないから、まあ結果オーライってことにしとくわ。  ………なあ絆、あいつに抱かれたときも、こんなふうな、縋るみたいなキスした?  ………………。  ふん。まあ、萎えはしないけど。  ちょっと落ち着きましたよ。  で、クールダウンしたら、絆が今にも爆ぜそうに立ち上がった絆自身に指を這わすのが見てとれた。
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