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「それは」  ホテルの部屋の中、青葉さんは口を開いた。 「双川くんが特別だったから」 「え? どういうこと?」 「どうもこうもない。特別なの。わたしの思ってることを話そうって思うぐらい」  青葉さんはだんだんと俯く。捻った足首の調子でも悪くなったかと一瞬思ったけれど、そうではないらしいことにすぐに気付いた。彼女の頬は赤が濃くなっていく。  まさか、と僕は思った。 「双川くん。わたしと……よ」  青葉さんは僕の名前を呼んで何か言った。しかし、途中の声が小さくてあまりよく聞こえなかった。  僕は「何て?」と聞き直した。 「だから!」  青葉さんは軽く怒鳴ってからもう一度、僕に言葉を伝えてくれた。
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