謎の図書館

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 雲一つ無い澄んだ青空に綺麗な花畑、時々青空と同化した鮫が浮遊している――これが今の私の世界の全て。    この世界は窮屈かもしれない。  時間の流れも空間の広がりもどこかで止まっているかもしれない。  風が吹く音も花が(なび)く音も聞こえない無音の世界。それが永遠に続くかもしれない。  そして何より、私が何者なのか――名前、性別、年齢、出生、その他全てが分からない。いや、最初から存在しなかったのかもしれない。    色々考えてみても答えは未だ何一つ見つかっていない。  それは周囲を彷徨(さまよ)人影たちも同じである。  結局私も人影たちも、何も分からないし、これからも何か分かることは無い。  ただ一つだけ確実に言えることは、この世界に存在(いる)ということだけである。 ――もう色々考えるのに疲れたから、私はぶらりこの世界を旅します。  不気味なほどの静寂の中、花畑には今日も人影がちらついていた。      
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