彼氏が魔法少女だった件

1/8

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 ある日、莉子(りこ)の幼なじみで彼氏の(かける)から部屋に呼び出された。  電話の声は深刻そうだったため、莉子は急いで、翔の部屋に向かう。  部屋に入ると、翔は真面目な顔で正座して待っていた。  翔はふわふわの少し茶色がかった髪と大きな黒い瞳を持つ、かわいらしい少年である。小柄なため、高校1年生なのに身長が女子の平均身長である莉子と同じだ。  莉子に気づいた翔が顔を上げる。 「莉子……」  翔が莉子をまっすぐ真剣な目で見る。  莉子は体がこわばる。もしかしたら、これは思っている以上に重要な話かもしれない。 (ま、まさか、別れ話!?)  嫌な想像が莉子の脳内でぐるぐる漂う。翔は真面目だから、うっかり他の人にキスされたりしたら「自分は莉子にふさわしくない」とか言って別れようとするかもしれない。そんなことは嫌だ。  ドキドキと嫌な音を立てる胸を抑えながら、莉子は翔の目の前に座った。 「莉子……実は話さなければならないことがあるんだ」  硬い表情の翔に、莉子はゴクリと生唾を飲んだ。  翔は少し躊躇ってから、思い切って告白する。 「俺、魔法少女になったんだ!」 「…………は?」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加