彼氏が魔法少女だった件

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 最近、悪い妖精の影響を受けた様々な悪の組織が乱立し、社会問題となっていた。  そしてそれに立ち向かうのが、善なる妖精に選ばれた魔法少女なのである。  魔法少女の正体は秘密であり、無理に暴こうとすれば逮捕される。  そんな世の中であるため、魔法少女が居てもおかしくないのだが、目の前の彼氏が魔法少女であると信じるのは別である。 「えーっと、翔、魔法少女って普通、女の子だよね?」  莉子は確認した。どんなにかわいくて美少女とよく間違えられても、翔は男である。決して女の子ではない。  翔は苦虫を噛み潰したような顔をした。 「たまに適正のある男も選ばれるそうなんだけどさ……変身させるにしても魔法少年にしてくれよな……」  ブツブツ文句を言っている様子から、どうやら翔は、自分が魔法少女であることに不満らしい。女の子に間違えられるのが嫌いな翔にとっては当然かもしれない。 「そもそも、なんで翔が魔法少女になったの?」  とりあえず信じるかどうかは置いといて、莉子は事の経緯を聞ことにする。 「ああ、今から1ヶ月くらい前なんだけどさ――」  翔は話し始めた。
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