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妖精の顔が更に険しくなる。
「もっと最悪じゃない!
あー、なんで適正あるからって、男を魔法少女にしなきゃいけないのよーーーー!」
翔は眉をひそめる。
「は? 魔法少女?」
妖精は涙目になりながら、翔を睨みつけた。
「そうよ! あんたが貴重な魔法適正があるからって、魔法少女にするよう言われたのよ!」
翔はさらに顔をしかめて首をかしげる。
「なら、魔法少年でもいいんじゃないか?」
「はぁ!? 嫌よ! そんなかわいくない存在!」
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「……魔法少女が少女な理由ってかわいいからなの?」
莉子がポカンとすると、翔が頭を搔く。
「みたいだよなぁ。それにもしかしたら、妖精は男嫌いな奴が多いのかもしれないし。
でも、そん時はつい反論しちゃったな」
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「いや、戦うのにかわいさは関係ないだろ?」
至極もっともなことを翔が言うが、妖精は首をブンブン振る。
「ただでさえ男って存在がむさ苦しいのに、変身してからもむさ苦しいままなのと一緒に戦うのは絶対嫌!!」
本当に嫌そうであるが、翔も譲れないものがあった。
「俺だって女になって戦うのは絶対嫌だ!」
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「そう言い合って、やっと決着がついたのは、毎晩喧嘩して1週間経った頃だったな」
「ずいぶん時間掛かったのね!?」
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