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確かウイングは鋭い目のキリッとした精悍な顔立ちで、長い癖のない黒髪を1つに結んだスレンダーな魔法少女である。
「そのままの顔だと、バレる危険が高いだろ? なら、全く違う顔の方がいいよな。だから、好き勝手させてもらった」
どこか満足気に言う翔から想像するに、ウイングの顔は翔の理想なのかもしれない。
「服装も翔の要望だよね?」
ウイングの黒いタンクトップに迷彩柄の長ズボン、黒いブーツはどう考えてもフリフリの服を勧めた妖精の趣味ではないだろう。唯一魔法少女っぽいのは、胸元のエメラルドグリーンのペンダントや、同じ石のついた腕輪ぐらいである。
翔は素直に頷く。
「ああ。そこは譲れなかったからな」
「……魔法少女らしさゼロじゃん」
思わず今度は莉子が渋い顔をする。翔ならそのままの顔でかわいらしい衣装が似合うのにもったいない。
「別にいいだろ、それは」
「よくない! だいたいウイングって戦い方も魔法少女とかけ離れてるじゃん!」
ウイングの戦闘は魔法ではなく、手に付けているメリケンサックでひたすら相手を殴るスタイルなのだ。
「だって、あれが1番やりやすいんだよ」
「だけど、せっかく魔法を使えるんだから、もっと使ったら?」
また翔は顔をしかめた。
「俺の魔法適正は防御とか浄化とかなんだよ。攻撃はそんなに得意じゃないんだ」
「いや、あんなに敵を殴りまくって倒しているのに、そう言われても……」
血まみれになって笑いながら楽しそうに戦う姿から、一部で「最凶の魔法少女」と言われているのがウイングである。攻撃が苦手と言われても説得力がない。
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