第4話 推理と検証を重ねて

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 属性/特殊光魔法。  使用可能な能力(スキル)  《鑑定Ⅲ》《浄化魔法》《広範囲魔法防御》《広範囲物理防御》《状態回復》《治癒魔法Ⅴ》《広範囲身体能力強化》《時間魔法》《光魔法》。  特殊能力(エクストラ・スキル)。  《世界記録盤(アカシック・レコード)の閲覧権限》《黒の予言書》《???の加護》《虚数空間ポケット》。 (多ッ!? 十二歳の頃の私に能力はもちろん特殊能力(エクストラ・スキル)なんて、無かったはず。これも時が巻き戻ったことによる影響? ……ううん、今はこれから起こる事を何とかする方が先だわ)  十二歳の私にとって最後の魔物討伐。  幻狼騎士団が生存している、そして魔人族であるレオンハルトも一緒に居る。  聖女の証もあり、聖印レベル41──となれば、この先に待ち構えている出来事(惨劇)は、夜明けと共に魔物が襲ってくることだ。  前回では──魔物の襲撃前日、騎士団全員と幻術にかかっていた魔人族との戦闘によって、私は気絶してしまい肝心の魔物との戦いに参戦できなかった。  結果、襲撃に出遅れた騎士団と魔人族たちは、共闘することで辛くも魔物を退治する。  ここまでは良かった。しかし()()各地を巡回していた領主と護衛の帝国軍が、魔人族と共闘している所を目撃する。  事態を把握すべく領主は、騎士団と魔人族に事情を聴こうとしたが、一部の魔人族が暴走。領主に同伴していた帝国軍と戦闘に陥る。双方ともに大きな犠牲を出し、騎士団と魔人族は捕縛される。私の扱いは保護だったらしいが、それも怪しいだろう。  帝都に戻るとすぐさま幻狼騎士団と魔人族が国家転覆を謀ろうとしていたという証拠が、皇帝と教皇にそれぞれ提出された。差し出し人は枢機卿数名によるものだった。  それにより国家反逆罪という烙印(らくいん)を押された騎士団と魔人族は、弁明の機会もなく処刑台に送られた。改めて考えると未然に防ぐのは不可能なほど、用意周到に準備されていた。  私だけ生き残れたのは、皇帝──伯父が健在だったのが大きいだろう。けれどそれ以降、聖女として私が活躍する場は永遠に失われた。
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