それは必然だったんだよ?

1/13
前へ
/28ページ
次へ

それは必然だったんだよ?

朝のホームルーム。 泣き声が響く教室を担任が不審に思い覗いたことで、事態が発覚した。何故か皆、謝罪を口にしながらずっと泣いているのだから、先生は驚くしかなかっただろう。 先生達は、皆を泣き止ませるのにきっと苦労しただろうな。 特に、三原さん。 彼女は、その涙によって化粧が崩れたようで、見るも無残な顔となってしまった。 彼女は先生たちに鏡を見せられたとき、暴れて窓から飛び降りようとしたそうだ。 皆がみんなこうだったから、朝のホームルームは中々始まらなかった。 そんな様子を見て、蛍斗くんは口笛を吹きながら、何だか嬉しそうな顔をしていた。 私はそれを見てちょっと吹いてしまい、先生に睨まれる羽目になってしまったが……。 ちなみにその後聞いた話によれば、三原さんがしたことは発覚はしなかったものの、何故か遠い学校へと転校をしたという。まぁ、三原さんなら何処でもやっていけると思う。 また、転校直前、三原さんはまた私に謝罪をしてくれた。私は謝らなくて良いよと言ったのだけど、蛍斗くんに色々言われたとか。 もしかして転校も、彼の仕業なのだろうか。 彼女はこう言っていた。 「私はあなたが羨ましかった。 小学生の時から皆に自然と好かれていて、中心だったあなたが。しかも、あなた才色兼備ときたから……って、初めて聞いたって?! あなた、私の化粧した顔には負けるけど、凄く良い顔してる。目のクマを治せばきっと美人になるに違いない!私が太鼓判を押してあげる。それに、私が嫌がらせを始める前は……成績、良かったでしょ?私より、ね。精神攻撃で成績ダウンを狙ってて……ホントに、その通りになっちゃったけど」 最後、彼女は軽く微笑んだ。 「私、本当だったら、あなたと友達になれたんだろうなって思う。私が、変な気を起こさなきゃ。元々、仲良かったのに。私が、壊して。本当、酷いよね。……ううん、いいの。本当だから。その代わり、あなたは───── って、ごめん!!電車の時間、バーイ!」 最後に何かを言いかけて、去って行った。 それについては聞きそびれたけど、とても清々しい顔をしていた。 ……きっと、もう大丈夫。そんな気がした。 faa3f137-0cd8-4ff4-a915-580cc91c2768
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加