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それは必然だったんだよ?
朝のホームルーム。
泣き声が響く教室を担任が不審に思い覗いたことで、事態が発覚した。何故か皆、謝罪を口にしながらずっと泣いているのだから、先生は驚くしかなかっただろう。
先生達は、皆を泣き止ませるのにきっと苦労しただろうな。
特に、三原さん。
彼女は、その涙によって化粧が崩れたようで、見るも無残な顔となってしまった。
彼女は先生たちに鏡を見せられたとき、暴れて窓から飛び降りようとしたそうだ。
皆がみんなこうだったから、朝のホームルームは中々始まらなかった。
そんな様子を見て、蛍斗くんは口笛を吹きながら、何だか嬉しそうな顔をしていた。
私はそれを見てちょっと吹いてしまい、先生に睨まれる羽目になってしまったが……。
ちなみにその後聞いた話によれば、三原さんがしたことは発覚はしなかったものの、何故か遠い学校へと転校をしたという。まぁ、三原さんなら何処でもやっていけると思う。
また、転校直前、三原さんはまた私に謝罪をしてくれた。私は謝らなくて良いよと言ったのだけど、蛍斗くんに色々言われたとか。
もしかして転校も、彼の仕業なのだろうか。
彼女はこう言っていた。
「私はあなたが羨ましかった。
小学生の時から皆に自然と好かれていて、中心だったあなたが。しかも、あなた才色兼備ときたから……って、初めて聞いたって?!
あなた、私の化粧した顔には負けるけど、凄く良い顔してる。目のクマを治せばきっと美人になるに違いない!私が太鼓判を押してあげる。それに、私が嫌がらせを始める前は……成績、良かったでしょ?私より、ね。精神攻撃で成績ダウンを狙ってて……ホントに、その通りになっちゃったけど」
最後、彼女は軽く微笑んだ。
「私、本当だったら、あなたと友達になれたんだろうなって思う。私が、変な気を起こさなきゃ。元々、仲良かったのに。私が、壊して。本当、酷いよね。……ううん、いいの。本当だから。その代わり、あなたは─────
って、ごめん!!電車の時間、バーイ!」
最後に何かを言いかけて、去って行った。
それについては聞きそびれたけど、とても清々しい顔をしていた。
……きっと、もう大丈夫。そんな気がした。
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