それは必然だったんだよ?

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「全部、終わったね」 放課後、帰り道。 私は蛍斗くんと一緒に歩いていた。 「そうだな……」 蛍斗くんは少しホッとした顔でこちらを見る。 「でも、変わんなくて良かった」 「変わんなくて良かったって何が?」 「そうだな、顔と声、と、」 「もしかして、幼いって言いたいの?怒るよ」 「……が、前より良……」 「え、何?」 「いや、別に何でも」 「そう?」 蛍斗くんの顔が赤くなっているように見えるのは、夕焼けだろうか。 でも、久々に蛍斗くんの顔を見ると……。 「変わんないね」 「悪かったな」 「いや、その……(美形具合が)」 「何?」 「いえ、何でも!!」 私のほうが顔赤くなってどうするんだろうか……。誤魔化そうとして、他のことを話す。 「蛍斗くん。そういえば、どうして今まで連絡なかったの?それに、転校……って」 「その訳はここで話す」 私たちはいつの間にか、あの池に着いていた。
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