21.宝珠の奇跡

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 一行はそのまま前に向かって歩き続ける。しかし、しばらくしてコンラッドが妙な音に気がついた。 「なんの音だ?」  他の4人は足を止めて耳を澄ます。  ガン、ガン、と、岩がぶつかるような音だ。遠くからほぼ一定のリズムで聞こえてくる。  そろそろ目的地だ。音の主は、おそらく怪盗ライだろう。 「気をつけろ」  オーウェンが言う。なにをしているのか分からないが、警戒するにこしたことはない。  目的地付近には洞窟があった。音は穴の中から聞こえてくる。一行は離れたところからそれを確認し、静かに荷物を置いてそれぞれ武器に手をかけた。  オーウェンが代表して入口の端から中を覗き、そして目を見開いた。 「オーウェン?」  コンラッドがかなりの小声で声をかけると、オーウェンはやや躊躇ってから、中にいるはずの怪盗ライに姿を現した。 「怪盗ライ! ……だな?」  やや自信なさげに相手の名を呼ぶ。  テオたちも入口から中を覗いた。
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