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今はもうありませんが、昔々小さな王国がありました。その国はイエティス王と言う聡明で行動力がある王様がいました。
イエティス王は国民を大切にしておりましたので国民は豊かとは言えませんでしたが平和に暮らす事ができました。
国民は皆、王を愛し尊敬していました。
王にはテネリ王妃というお妃様がいらっしゃいました。シルクみたいな艶のある白い肌にサファイアと間違える程の美しい瞳、夜空に輝く星の様な金色の髪を持つお妃様は、拝見すると暫く動けなくなってしまう程美しいのです。
しかも城で働く者達にいつも感謝の言葉をかける程お優しいので、皆はお妃様の事を密かに「本当は人間ではなく女神様なのではないか」と噂にする程でした。
イエティス王はテネリ王妃を誰よりも何よりも愛しておられましたし、テネリ王妃もイエティス王を尊敬しておられましたので、とても仲睦まじく、誰もが憧れました。
ですが王妃はとても体が弱く国中が待ち望んでいる子供を中々授かる事が出来ないでいました。
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