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金の光
ある夜の事です。
イエティス王とテネリ王妃が寝ていると窓が突然金色に光りを放ちました。
王はその光に驚き直ぐに部屋に置いてある剣を構えました。勿論大事な王妃を守る為です。
でも王妃は部屋中が眩しい光に包まれているのに目覚める事もなく、スヤスヤと寝息をたてています。
窓が突然開き金色の塊が入ってきたと思うと、綺麗な金髪の男の子に姿を変えました。
「お前は誰だ!どうやってここに来たのだ?」
剣を構えながら聞くと、綺麗な男の子は丁寧にお辞儀をしました。
「初めてまして王様、僕は神の使いの者です。神からの伝言をお伝えに伺いました。」
「神の伝言?」
「はい。近々お二人の間に子供を授けます」
「何と」
王は体の中から熱くなるのを感じました。
「その子はこの国の為に尽くす素晴らしい王となるでしょう。くれぐれも大切に育ててください」
そして男の子は王の目を見つめました。その視線は瞳の奥まで突き刺す程鋭く、王は熱くなった体の奥がぞくりと冷たくなるのを感じました。
「待ちに待った我が子なのだ、大切に育てるに決まっておる」
王は自信満々で宣言しました。
「それを聞いて安心いたしました。それでは失礼致します」
男の子はにっこり笑い、深々とお辞儀をすると金色の光の塊になり一瞬で消えてしまいました。
王が気が付くと朝になっています。
夢だったのかと王は首を傾げました。
隣りには美しいテネリ王妃の寝顔が見えました。朝日に照らされる王妃は朝露が残る一輪の白い花の様です。
本当にこの王妃との間に子供が出来たらと考えると喜びの感情が溢れてきました。
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