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実は、テネリ王妃とアガ王子はこの国でひっそりと住んでおりました。
林の奥にある湖畔に小さな家を建てて住んでいたのです。
最後にイエティス王と会った日に王妃はあの占い師を呼んでいました。
自分達はどうしたらよいのか相談したのです。
占い師は大きな水晶玉を覗きながら答えました。
「王妃様が死罪になる事はありません。しかし今の王様はアガ王子を暗殺するでしょう。王子を助けたいのであれば城を出るしかありません。しかしそれもお二人にとって茨の道、王妃の命を削るかもしれません。王子も常に孤独が付きまといます。ですが王子は必ずこの国をお助けになってくださいます。国民にとってアガ王子は希望の星となるでしょう」
その話を聞いて王妃は城を出る事を決意しました。
どうしてもアガ王子を守りたかったからです。
テネリ王妃の強い決意を聞いて、占い師は城から抜け出す手伝いをしました。
そしてアガ王子が産まれた時に背中を叩いたあの少女を連れていかせたのです。
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