上条くんは一人がいい 1

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「なんでぇ?姫華はなーんにも悪い事してないんだよぉ?」 とぼけたように言った姫華にもっと畳み掛ける。 「あんたはさぁ、僕が誰だかわかってて、その態度なの?それとも、分かってないからそんな態度なの?」 「えぇ?どーゆーことぉ?」 「わかってないなら自分の父親に聞いてみれば?”上条蓮夜って知ってる?”ってね。いくらいつも優しくても怒られるかもよ?」 「はぁ?ほんとに、姫華のパパのこと知ってんの?」 本気でキレてるようだった。でも、蓮夜は、 (僕にケンカを売ったお前が悪いだろ!)と、思っていた。 でも蓮夜が口を開く前に誰かの声がした。 「お前ら気づいてなかったのか?上条くんってKAMIJOUホールディングスの、社長だよ?姫華ちゃんのお父さんが社長してるって会社の親会社なんだよ?」 流牙だった。 蓮夜も、まさか知ってる人がいるとは思ってなかったので、驚きを隠せなかった。 「あぁ、、、ごめん!言わないほうが良かった、、、よね?ほんっとごめん!」 「あっ、別にいいよどうせバレるかもだし、、、 てか、なんで知ってたの?」 「紅葉から聞いてて、、、」 紅葉というのは蓮夜の許嫁で櫻田門財閥のご令嬢。流牙の親は、岩橋病院っていうめっちゃ大きい病院の医院長をしている。だから幼い頃から紅葉の家とは仲が良く、時々一緒に遊んでいた。 「紅葉のこと知ってるんだ、、、」 「あぁ、昔はよく遊んでたしね!」 「そうだったんだ、、、」 「えっと〜、俺の自己紹介聞いてた?」 「ごめんっ!聞いてなかった」 「じゃあ改めて自己紹介するね!名前は、岩橋流牙って言います!趣味は最近は釣りです。全然気軽に流牙って呼んでいいよ!」 初めて出来た”友達”だった。 (流牙は、今までに関わってきた人達と、なにか違う気がする) それが、蓮夜から見た流牙だった。
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