上条くんは一人がいい 1

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「正直、どっちもいらない。別に仲良くなる必要ないし、俺に媚売ろうとしても無駄だよ?」  人と関わりたくなかった。どうせ、気がついたら離れていってる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 昔から人に合わせるのが嫌いだった。自分の道を進んでいた。 小学生になって、変わるはずもなかった。僕の容姿と、立場を利用しようとして近寄ってくる人が多かった。仕事相手なら嫌でも仲良くしていた。 でも、わざわざ学校でまで友だちをつくったり、仲良くしたりする必要はないだろう。 流牙が話しかけてくれた時、"最初"は嬉しかった。ただあいつは、僕の立場を知っていた。「きっとその立場を利用しようとしてる!」って心の中にいるもう一人の自分が囁いていた。また騙されたら?って考えると信用できなくなっていた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「そっか、、、。じゃあなんかあったら言って?」 と、流牙は優しく微笑んだ。 「はぁ?誰がお前なんかに言うかよ!いいか、バカにはわかんねぇだろうから言っとくけど、俺は、お前らが嫌いなんだよ!」 「待って、上条くん!先生来たから一旦座ろ?」 先生の登場でこの場は、落ち着いたように見えた。 「はーいじゃあ、ある程度仲が深まったみたいだし、ここでゲームしたいと思いまーす!」 (ゲームなんてくだらねぇ、、、もっと他のもんねぇのかよ)と思っていた。 「じゃあ、2人ずつペアになって」 誰も俺に話しかけてこないだろう。きっと余った人とペアになるんだ。 (慣れてるから俺はいいけど相手の子女子だったら怯えながら声かけてくるんだろうな、、、) 「ねぇ誰が上条とペアなる?」 「俺無理だわ、、、」 「私だって嫌だよ」 みんなにとっては小さい声だったのかもしれないが、俺にはしっかり聞こえていた。さっきはあんなに話しかけてきていた2人は、こっちすら見てこなかった。 「上条くん!ウチとペア組んでくれへん?」
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