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告白
翌日学校へ行くと、珍しく登校時にはタケシに会わなかった。
気を遣ったのかなと思ったが、登校の儀式がないのは良かった。
クラスに入ると、先に登校しているみんなに、ワッと囲まれた。
その中に、タケシが居た。
「ごめんな、タケル」
「うん、治ったから大丈夫」
そのごめんは、転んでけがした分だからなと思っていたが、どういう表情をすればいいかわからず、変な感じになった。
昼休みに、賀来先生にタケシと一緒に別の教室へ呼ばれた。
「先生に、タケル君のお母さんから電話があったんだよ。頬っぺたをムニュムニュされるがいやだったんだって?」
とタケルに話しかけた。
「時々痛いし、女の子に笑われるから嫌、、、、です。」
タケシの前でいうのがはばかられて、下を向いて小さな声で答えた。
それを聞いた賀来先生は、「それは、大変だったね。タケシ君の話も聞きたいな。」
とタケシに振る。
「おれ、友達になりたかったんだ。タケルと字も同じだし親友になれるかもって思って。嫌いとかそんなんじゃないんだ。ごめんな、タケル。」
初めて見る、タケシの真顔。
タケルは、また表情を決められなかったけど、なぜか涙が出てきた。
賀来先生は、優しい笑顔でこちらを見てくれていたので、気持ちが楽になった。
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