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 月曜日、この日は朝から雨だった。  図書室で僕はいつものように「当番」として座っていた。  僕以外は誰もいない静けさの中で、ドアがレールを転がる音がゆっくりと響いた。  ドアを開けた誰かは、なかなか図書室へと歩いてこない。僕は敢えてドアの方を見ないで、七倉先生に与えてもらった僕好みのスペックのパソコンで趣味のプログラミングを続ける。  しばらくしてドアを開けた誰かは歩き始めた。  黒いボブロングの髪をした女の子はキョロキョロしながらゆっくりと奥へと歩いていた。  その子が篠崎由衣であることを僕は知っていた。  今日は、榊エリカではなく彼女が本を借りに来ると七倉先生に聞いていたからだ。  僕は挙動不審の彼女に敢えて声はかけない。そんなことをすれば彼女を戸惑わせてしまうだけだろう。  集団行動をうまくやっていけない、同じではないかもしれないけれど、少しぐらいは僕と重なる部分もあるんじゃないかと思う。  篠崎由衣は、学校に登校してくることができない子だった。
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