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「永遠の一瞬」四巻は、データベースの履歴を検索してみた限り、この一年で借りたことがあるのは先週の僕だけだ。そんな本が僕が返した途端に借りられていくなんて。
『X年Y組 Z番 S N』
こいつは誰なんだろう。生徒証を読み込ませれば、何年何組の誰かがわかるようになっているのに、こんな値になっているなんて。
気になった僕は、データベース内の別テーブルを結合して調査をしてみた。
借りていったのは、金曜の19時24分だった。こんな時間に僕はいないし、図書室も通常は閉まっている。夜に誰かが忍び込んだんだろうか? だとしてもわざわざ謎のIDを記録して履歴を残すだろうか?
IDを……記録?
あまりに変な情報なので気づくことができなかったが、『X年Y組Z番』と変な情報ではあるが、この形で登録されたユーザー情報があるということだ。こんなユーザーを誰かが登録したことがあるのだ。
僕は今度はユーザーテーブルを検索してみる。検索すると一名がヒットした。
「え……これってどういうことだ?」
『X年Y組 Z番 SN』という情報で登録されていたユーザーは確かに存在した。
それは図書委員の顧問である七倉先生だった。
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