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動画の彼
刺激的なチョコアイスより、優しいバニラアイスが好き。祐樹はそんなDomだった。
大学生ともなれば、下腹部が熱くて眠れない夜もある。それはもちろん、気温が高すぎるせいだけではなかった。そんなとき祐樹は、他の性欲真っ盛りの男たちと同じように自分を慰める。手の中に収まっているスマホからは、男の喘ぎ声が漏れていた。
「あ゛あ゛、やめで~。そごぉぉぉ」
うつ伏せで拘束された彼の手足は、白く細長い。両手両足首を一本の棒で拘束されていて、丸まった背中にはシミ一つなく瑞々しさが窺えた。そしてタチの荒々しいピストンに、体を震わせながら耐えている。ガチャガチャと煩い拘束具が、跡が残るほどの激しさを物語っていた。
「きったねぇ顔。ほら、ご主人様に見てもらえよ」
そう言ったタチがカメラを動かし、上からだったアングルがSubの顔面へと移動する。目隠しをされたその顔は、確かに涎と精液にまみれていて綺麗とはいいがたい。大きく口を開け、舌を突き出した表情は無様にも思えた。
しかし祐樹は、そのマスクの下が可愛らしい顔をしているのを知っている。
「やだぁぁ、ごしゅじんさま、みないでぇぇぇ」
「お、またナカが締まったぞ。こういうのが好きなんだろ、この変態」
タチはそう言うと、彼の丸い尻に手のひらを打ち付ける。パシンと高い音をさせながら、ピストンの濡れた音と合わせて動画内に響き渡る。またもやアングルが切り替わると、彼の白い尻が真っ赤に染まっていた。
「ほら、イキたいんだろ。だったら【知らない男におまんこズボズボされるの気持ちいいですって言え】」
タチがそうコマンドを放てば、彼はむずがるように首を振って見せる。しかし枕に噛みついた口の端からは、快感の声が漏れていた。すると意地悪くも、タチはピストンの動きを緩める。先ほどまでの荒々しさはなりをひそめ、胎内をなぞるようにゆっくりと腰をスライドさせた。
「言わないといつまでもこのままだぞ。いいのか?」
赤くなった尻を撫でまわし、タチが囁く。かと思えば、ある一点を執拗に攻めるかのように小刻みに動かし始めた。そこは彼の前立腺だったのか、彼の腿はガクガクと震え始めていた。そして微かにだが、腰を自ら揺らしているようにも見える。それに気づかぬタチではないだろうが、言葉にすることはなかった。
「【言えよ。自分が変態だって、認めちまえよ】」
またしてもタチは大きく振りかぶり、彼の尻に強烈な一撃を加える。痛そうだと思ったのもつかの間、彼は背をしならせ息を詰め、吐精していた。もはやそれは堕ちた瞬間だった。
そこからはタチのコマンドするまま、気持ちいいと泣き叫び、自分は変態だと言わされ、激しく揺さぶられながら何度も絶頂した。その彼の声を聞きながら、祐樹は自分のモノを強く擦り上げる。彼の四度目の絶頂と同時に、祐樹もティッシュへと精を吐き出したのだった。
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