まぶしくてみえない

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まぶしくてみえない

心臓が抉られているような、どうしようもない痛みを抱え続けていたら、いつの間にか麻痺しちゃったみたい。 「好きな人いるの?」 そんなありふれた質問に首を振る毎日。 あのひと以外の誰かに恋する自分なんて、想像もできない。 青春真っ盛りの高校生なのに、わたしは恋をすることを忘れてしまっていた。 人生最大の失恋をして、およそ一年が経った。 たくさん泣いて、泣いて、塞ぎ込んで。 体が悲鳴を上げて、数日間寝込んだっけ。 また恋をするのが怖いから、傷つきたくないから、男の子にはなるべく関わらない。必要以上に仲良くしない。 そんなことに気をつけていたら、彼氏もできないまま高校二年生になっていた。 でも、別にいいの。 彼氏がほしいわけじゃない。 確かに周りの友だちは、恋話で盛り上がっているけれど。 まだ新しい恋を始められるほど、前を向けていないのが本音。 だって、しょうがないじゃない。 臆病にもなっちゃうよ。 ……10年以上に及ぶ初恋だったんだもの。 今はまだ恋心を弔っているから、そっとしておいてほしい。 そう思っているのに、閉ざされた世界を無理にこじ開けようとしてくる稀有なひとがいる。
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