まぶしくてみえない

4/11
前へ
/11ページ
次へ
太陽くんに諌められて、途端に黙り込むふたり。 「ごめんね」 「いや、ちーは悪くないから」 うるさくして申し訳ないなと謝りながら隣に立つ彼を見上げれば、ぽんと頭に手のひらが乗る。 (あ、駄目かもしれない) 発作のようにこみ上げてくるものを抑え込むには、まだまだ慣れが必要で。 わたしはその手が離れると同時に教室を飛び出した。 あのひとの手とは全然違うのに。 どうしてこんなときに思い出してしまうのだろう。 階段を駆け下りて、たどり着いた先は保健室。 わたしにとっての避難場所。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加