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太陽くんに諌められて、途端に黙り込むふたり。
「ごめんね」
「いや、ちーは悪くないから」
うるさくして申し訳ないなと謝りながら隣に立つ彼を見上げれば、ぽんと頭に手のひらが乗る。
(あ、駄目かもしれない)
発作のようにこみ上げてくるものを抑え込むには、まだまだ慣れが必要で。
わたしはその手が離れると同時に教室を飛び出した。
あのひとの手とは全然違うのに。
どうしてこんなときに思い出してしまうのだろう。
階段を駆け下りて、たどり着いた先は保健室。
わたしにとっての避難場所。
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