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昔々あるところに身も心も美しいと称された姫がいました。
民に慕われていた姫ですが、ある日その美しさに目を付けた悪魔が姫を連れ去って遠い荒れ地にある塔に閉じ込めてしまいました。
お父さまである王さまはすぐに騎士団を送って姫を救い出そうとしました。
けれどそれはできませんでした。
何せ、その塔は悪魔が建てた塔です。
中は見た目よりもずっと広く、そして悪魔の作り出した世にも恐ろしい魔獣がたくさんいて、侵入者に襲いかかってくるのです。
そのせいで誰も姫の元へはたどり着けませんでしたし、何人もの騎士が犠牲になりました。
そうこうしているうちにただ時が過ぎるばかり。
けれどそんなある日のことです。一人の騎士が塔を訪れました。
騎士はたった一人でしたが、それ故に真正面から戦うのではなく、隠れて魔獣をやり過ごし、どうにか姫のいる最上階へとたどり着くことができました。
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