終章 きっとうまく行く

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「ナニ、コレ…?」 アメリアの尋常じゃない様子に、仲間が巻物を受け取る どうやら内容を知らなかったらしいミティも一緒になって覗き込む 「…平衡神神殿の…」 「修繕費?」 「金貨30枚…?」 「ああ、屋根のステンドグラス代ですね」 3人の視線がゆっくりとアメリアに集まる 確かに使える攻撃魔法を片っ端から使った…使ったけど…あれは謂わば正当防衛で… 「…これは、何のご冗談?」 アメリアがにこやかにミティを見やる しかし目が笑っていない 「椅子や敷物、調度品が結構良いモノだったようでして…ステンドグラスはその、年代物でして…」 ミティによると、神殿内での出来事をゼニードとビッターが洗い浚い喋ったのだそう 自分たちの悪行とともに…ジュリアン達が攻撃魔法を遠慮なく撃ちまくった事も… ただ二人の財産をほとんど没収した事で、金額がコレで済んでいると言う 「…最後の最後に何て嫌がらせを…」 地の底から聞こえるかのようなアメリアの声にならない呪詛が食堂に鬱々と溢れていく 「こんな時に申し訳ないんですが…こちらも…」 怖ず怖ずとレティが声を上げる アメリアは俯き延々とゼニードとビッターへの呪いを唱え続けている 仕方ないとブレンが巻物を代わりに開く 「魔力回復薬10本に体力回復薬20本…王都地図の交換費用…合わせて金貨10枚…?何です、これ?」 レティの説明によると、ギルド内に常備されていた緊急用の薬の使用料と消えないインクで落書きされた地図の交換料だそう
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