終章 きっとうまく行く

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「そう言えばさ、平衡神神殿は大変だったみたいだよな」 「…あの優しい司祭様が…」 薬を盛られたことを思い出したウインディが何やらブツブツ呟きだす どうもショックから立ち直るのにはまだまだ時間がかかりそうな様子 「建物はボロボロ、現役の司祭が逮捕されたんじゃ仕方ないでしょ」 そう、ゼニード司祭は駆けつけて来た騎士団に様々な罪状で逮捕、拘束されていた 当然ながらビッター子爵もだ その二人が騎士団と公安の取調べの際に、ジュリアンに持ち掛けられた悪魔の取引を口にしたのだが 知るわけないでしょ 証人喚問された第3王女が一言で切り捨てた 恐らく極刑か禁錮刑だろう 去り際、法廷にも関わらず、ジュリアンの気にしている事を喚き散らしていたが アメリアが幼馴染を抑えるのに苦労していた ブレンとキリーは心の中で手を合わせ、2人の成仏を祈った 「そのボロボロにした原因は、間違いなく俺たちにも有りそうだけどな…」 キリーのボヤきはジュリアンの耳には届かなかったようだ 正確には薬師から借りたゴーレムや巻物が破壊の限りを尽くしたのだが、証拠を示せない以上は口を噤んで司祭と子爵に押し付けるしかない ただだからといって平衡神の信者数が減ったのかと言うと、そんなことは全く無く 信仰心は不祥事とは別問題のようだ そろそろ何か注文しないと店から苦情が来そう…とジュリアンがウエイトレスを呼び止めて、メニューを指差しながら適当に注文していく
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