引退

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私はあの時間が好きだ  他の人からしたら刹那なのに、全ての音が無くなり私だけ別の次元にいるかのように刹那が無限に感じるんだ。でも、いつでも感じることが出来る訳じゃない。息が切れ始め心臓の音が聞こえるようになり、視界が狭くなっていく。そして、気づいたら音が無くなりストライクゾーンに吸い込まれていくボールがゆっくりになりバットに当てることが容易なる。当たった瞬間に時間が他の人と一緒に戻る。あの時間だ。  あぁ〜、もう一度あの時間を得たい。どんなにそれまで辛くてもあの時間だけで辛さが失われていく。  もう一度だけでいいんだ。だから、これで引退なんてさせないでください。
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