推しジェネシス

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『今度の推しは古着屋の店員だって聞いたよ」  いきなり言いたいことから始まる。  全然変わってない。 『どこから聞いたの』と返す。  でも質問の答えはスルーされた。 『相変わらず、虹菜の気まぐれはブレないね』  手を振る沙希が、頭に浮かぶ。    何だか、長い時間が経ったような気がした。  まつエクに、ちょっと涙がにじんだ。 (了)
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