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予想はしていても現実を受け入れられない。
ひょっこりと顔を出して
この別れが冗談だよって
笑ってくれたら許す。
「これね…お袋と最後に買い物に行った時に買ってくれたカード。俺にはこれしか残ってないんだ」
そう言って寂しそうに俯いたあなた。
生まれも育ちも環境も同じだった
あなたと私。
「もっと早く出会えてたら…笑って暮らせたのかな、俺たち」
あなたの葬式も遠くで眺めてた。
そして「すぐに行くから」とあなたに誓った。
人としてダメなのは分かってる。
彼にも言われたようにーーーー
人間失格だと分かってる。
壊れてたあの頃。
「ごめんなさい、もう一緒には暮らせない」
子供も仕事も何もかも捨てて
あなたのところに走ろうとした。
「ごめん、ハル。できなかった」
「当たり前だろ、そんなこと。一緒にいれなくてもいつも一緒だから無理するなって」
それでも恋人よ、そばにいて。
今夜もまた凍えてる私のそばにいて。
明日も、明後日もずっとずっと。
私のそばにいて。
あなたと私は一つだと
繰り返す弱すぎる心。
そしてゆっくりとーーーーーー~。
そして待てない私を叱って。
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