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「ヨッシーっ!」
笑いながら言われて睨みつけてやる。
保育園の頃から一緒の幼なじみで小、中とバスケもずっと一緒にやってきた森力也。
この部に誘ってくれた奴で感謝はしているが、この呼び名を楽しんでいてムカつく。
力也も変な呼び名ならよかったのに、あいつは“リキ”でからかいどころもない。
そもそも俺は吉井流星、で最初は“リュウ”になるはずだった。
それなのに先輩とカブるという理由で迷われているうちに、力也が「ウケる」なんて決めやがったせいで俺は“ヨッシー”になってしまった。
卒業した先輩なら問題ないだろうに。
入部してすぐでもパスができるように、とこの部ではすぐに呼び名をつけられるらしいが……そもそもマネージャーにパスはしないんだから呼び名なんて必要ないのに。
俺もつけてもらえたことは嬉しかったが……慣れそうもない。
作戦ボードをしまったバックを腕に掛けてから何冊かノートを抱える。
二年生六人、一年生六人の計十二人分のドリンクボトルが入ったカゴを持って一旦体育館から出るともう一度中を確認した。
「ん、よし!」
頷くと、力也が引き戸を閉めてくれて南京錠をしっかりかける。
一緒に更衣室まで歩いてカゴを置くと、力也もボトルを流しに出してくれた。
「え、これ全部洗うの?」
「そのままでいいならそうしてやるぞ」
「ん、ごめ」
素直に手伝ってくれる力也を見て笑ってしまう。
何だかんだいい奴だから憎めない。
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