『七不思議』と『幽霊』

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(3) 家に帰ると、僕はソファーに寝転んで漫画本を開いた。 母さんも父さんも、まだ帰っていないみたいだ。 と、その時。 チャイムが鳴った。 誰だろう。 僕はカーテンを開けて外を覗いた。 「ミチルちゃん?」 僕は驚いて声を上げた。 急いで階段を降り、玄関を開ける。 「どうしたの、ミチルちゃん」 「あのね、本条君」 そう言うと、ミチルちゃんは暫く黙った。 一体、どうしたというのだ。 「私の妹、去年の夏にこの七不思議の犠牲になって死んだの」 ミチルちゃんはそういうと拳を握りしめた。 「もう誰も死んでほしくない。でも始まった七不思議は止められないから。だからね、もし自分が死んでも後悔しないように、伝えておこうと思ってここに来たの。私、岡森君のことが好き」 「え」 思ってもいなかった言葉に、僕は言葉を失った。 だって、僕はこれまでミチルちゃんと話したことなんてなかったから。 「どうして」 そう言うと、ミチルちゃんは真っすぐに僕の目を見た。 「かっこいいから」 ミチルちゃんは、返事はいらないと言って走って行った。
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