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5年3組の教室が、しんと静まり返っている。
なぜだろう。
きっと、七不思議が始まったからだ。
この学校の七不思議には、くだらないものが多い。
例えば、図工室に飾ってある絵が夜中に動き出すとか、
学校に潜む幽霊を怒らせると殺されるとか、
人体模型を盗むと骨を奪われるとか。
そういう、いかにも作りめいた話ばかりだ。
だけど、1つだけ、ひどく厄介な七不思議が存在する。
『担任の先生が午前11時ぴったりに倒れたら、次の日にクラスの誰かが死ぬ』
この七不思議だけは、本物だ。
そしてたった今、担任の宮田先生が倒れた。
時刻は午前11時だ。
どうしよう、と誰かが呟いた。
それを合図にみなが次々と口を開き始めた。
「これ、やばいよな」
隣の席の康介が僕に耳打ちする。
「うん、かなりまずい」
僕は静かに頷くと、席から立ち上がった。
とにかく、今は倒れている宮田先生を助けなくてはいけない。
僕は康介と一緒に職員室へと走り、先生たちを呼んだ。
やがて宮田先生は保健室へと運ばれ、そのあと救急車で病院へと運ばれた。
午後からの授業はなくなり、僕たち4年3組の生徒だけ帰宅することになった。
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