しんでいる。

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 ***  こんにちは東先生。  えっと……まず自己紹介からですよね?大木澄香(おおきすみか)です。二年二組では、風紀委員をしています。……あ、眼鏡、ですか?すみません、本の読みすぎなのか目が悪くって……うーんもう少しレンズ小さい奴の方が可愛いかなって思ってるんですけど。え、似合ってますか?本当ですか?  と、ごめんなさい、面談でしたね。東先生かっこいいしお話聴くの上手だから、ついつい余計なことばかり言ってしまいます。  といっても、他に何を話せばいいのか。  死者観測機の数値が触れていることに気が付いたのはいつから、ですか?  うーん、多分……修学旅行に帰ってきてからくらい、ですかね?でもあまり自信はないです。確かに教室の入り口に設置はされていますけど、通る時いちいち見るようなものじゃないですし。授業で使う時は別ですけど、日常でそんなに気にするようなものではないですよね。だって、そんなものなくても私達みんな、幽霊いたらすぐにわかりますもの。幽霊が見える、聴こえる、喋れる人ばかり。装置になんか頼らなくても、みんな“視る”スキルに関しては問題のない人ばかりですから。  修学旅行では霊山にも行きましたから、そのせいで何かがくっついてきた可能性もあるとは思っています。珍しいことではないですよね、救いを求めて浮遊霊が霊能力者にくっついてくるのを。私達なら除霊できるだろう、って思う幽霊さんがついてきてしまってもおかしくはないでしょうか。  最近様子がおかしくなった人?  うーん……強いて言うなら、斎藤さんと村瀬君が喧嘩することが増えたってことでしょうか。  あ、ご存知ありません?あの二人、付き合ってるんですよ。  修学旅行の時も、夜にイチャつこうとして先生に見つかって廊下で正座させられてた記憶がありますね。  あんなに仲良しだったのに、何で喧嘩するようになっちゃったんでしょう?
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