しんでいる。

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 ***  ……御木本遊里(みきもとゆうり)です。よろしくお願いします。  ……その。お願いが。  この面談室、外に……音、漏れたりとかしてません、か?大丈夫ですか?……良かった。じゃあ、お話します。  あ、そうだ。一つ教えて欲しいんですけど。  僕以外のみんな、装置の数字がおかしいって気づいてたのにスルーしてたみたいなんです。このクラス以外の教室はどうなんですか?……そう、ですか。じゃあ……どうしてこの教室の測定器がおかしいって気が付いたんですか?  外部講師の人が指摘した?ああ、そっか、そういうことなんですね。合点がいきました。  多分ですね。その方が指摘しなかったら、誰も装置がおかしいことに気づかなかったと思うんです。  気付いていたけど、故障だと思ってスルーしてた――ってみんな言ってるけど、本当は“都合が悪いから見えていなかった”だと思います。  人間って、そういうものなんです。  誰もが真実が欲しいと言いながら、実際は自分に都合の良い真実しか見えない。見えないことで己を守る。それは、おかしなことでもなんでもありません。  僕は、気づいていても怖くて何も言えなかった。  数値がおかしくなったの、修学旅行からみんなが帰ってきてからです。僕はこの通り体が丈夫じゃなくて、病気がちなものだから……あの時も熱を出して、修学旅行に行けなくて。  先生も、きっと気づいてないですよね。  あの死者観測機の針が振りきれてるの、うちの教室だけじゃないですよ。  僕、東先生を信じて告白します。  多分、僕以外の全員が幽霊です。  バスの事故かなにか、覚えがありませんか?
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