<2・告白。>

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――まさか、同性とは。  ミコの家に上がり込む。今日は土曜日で、両親は二人揃って出かけているらしい。リビングに通され、ミコにはコーヒーを出してもらった。 「勇気くんのことだから、どうせブラック飲めないんでしょ。ミコ様が、あまーいカフェオレにしてあげましたからねー。ミルクたっぷり、砂糖とシロップ大量投下ー」 「うるせえ!お前だって辛いカレーとか食べられないくせにー!」 「残念、私は中辛食べられるようになりましたー!」 「自慢するほどのことかよそれは!」  勇気が家に行く頃になると、ミコも少しは落ち着いたようだった。涙の跡が痛々しいが、笑顔が戻ってきている。これなら落ち着いて話もできるだろう。正直、電話だけではあまりにも要領を得なかったからである。  彼女のペアリング相手が見つかった。  それが大学の友達で、女のコだった。  現在勇気がわかっている情報はそれだけである。 「色々、ごめんね。急に来てもらっちゃって」  多少の雑談を経て、本題に入ることになった。ミコは左手の中指につけたリングを見せてくる。銀色の指輪に、政府公認を示す星の紋章が入っている。一見するとただの星マークに見えるが、ここには偽造防止の最先端技術が使われているらしい。  ちみにペアリング法の名前のせいで誤解されるが、判別するアイテムは指輪とは限らない。アイテムの種類は親や本人にある程度選択権があるし、本人の障害などにも配慮されることになるからだ。当たり前だが指がない障害を持っている人に指輪を渡しても、身につけておくことが困難であるからである。  とはいえ、一番手近なアイテムだからか、指輪形態で持っている人は少なくない。俺も指輪だし、ミコも指輪だったと言うわけだ。 「指輪って、ちょっと不便だよね。これ失くしたら、再度手続きしなきゃいけなくてめんどーだし」  やや空元気の笑顔を浮かべてミコが言う。 「だから、子供の頃は身につけてない人が多いんだよね。私もそうだった。高校卒業してから慌てて身につけることが増えたってかんじ。しかも……この指輪って肌に触れてないとセンサー働かないんでしょ?だからトイレとかで外してたら意味ないんだよね。私は調理実習の時とかも外しちゃうし」 「まあ、それが普通だよな。……だから、友達がペアだって気が付かなかったのか」
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