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昨夜の料亭の料理に思い当たった。
「ねっ、もしかしてあかりの料亭でオムライスとか焼きそばを作ったのは……」
「そう、俺。うまかっただろう。料亭あかりで料理長をしてる。まさかいきなり雪江が飛び込んでくるとは思わなかったけどな」
「私が来たって知ってたの? なんですぐに顔を見せてくれなかったの」
雪江は昨夜眠れない夜を過ごしたのだ。あの時会っていたらこんなにモヤモヤすることがなかったのに。
「飛び出して行きたかったさ。けど、雪江は他の人と一緒にいた。ここはまず先生に報告してからってことにしたんだ」
確かに伊藤が一緒だった。いくら伊藤が異国人に慣れているとしても未来からタイムスリップしたなんてこと、受け入れられるはずがない。あの場では雪江はおとなしく帰るしかなかっただろう。
「あのロイヤルミルクティーでわかってくれるかなって期待してたんだけど」
「あれって先輩が作ってくれた味そっくりでした。だからそう思ったけど、まさかって思ってて」
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