ずっと言えなかったこと

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『遠くから見守ってるからね。早紀子』 「うん、見守っててね。ミキ。私はずっと生きていく。頑張るから。せめて、来世でも親友でいてね」 『早紀子』  涙が溢れて止まらない。  人は簡単に人を傷つけて、知らないままに泣かせてしまう。  生きてるうちにやるべきだった事、いっぱいあありすぎる。  おばあちゃん、元気かな。お見舞い行けなくてごめんね。とか。  弟と喧嘩したままだったなとか。両親を泣かせて後ろめたいなとか。 『雪代、どうかあんたたちは青春を味わって楽しんでね』 「当然だ。俺はたくさんの幽霊を見てきている。早紀子さん。親友の分まで青春を満喫して欲しい。あんなクズ女たちのいじめや意地悪に負けないで」 「うん。わかってる。早紀子もそう言う意見なんだよね」 「ああ。来栖もそう思ってる」  私も早紀子も涙が止まらない。 「大丈夫。私、頑張るから」
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