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「なあ」
『何。雪代』
「お前、なんか未練あるって顔してる。隣のクラスの来栖だろ」
『そうだけど! 二組の来栖ミキだけど!! みんな見てるよ!? いいの!?』
「どうでもいい。そんな事よりお前が困ってるんだろ。俺に話して見ろよ。心配だから」
助かるけれど……いいのかなぁ。
私が心配そうにしていると。雪代は心配そうに私をみて言った。
「親友と仲直りしたいんだろう」
『うん! 絶対にしたい!!』
そう。私の未練は絶対これだ。
このまま天国も地獄も行きたくない。早紀子と話したい。
でもそれは、幽霊になった以上無理だろう。
「そこで、霊感少年と有名な俺の出番だ。俺なら大体の人が『またか』って納得するだろう」
確かに。ある意味みんな納得だろう。
「まあ、まずは早紀子さんの様子を見てみよう。教室にいるだろうか。確か六組?」
ヒソヒソと私に話しかけてくる雪代の顔は無駄に美しかった。
それに対して私は鏡で見た感じスッピンだし、髪の毛も手入れされてないし。そのまま天国か地獄に行くんだろうか。嫌だな。なんて現実逃避している場合じゃなくて。
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