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「今、ミキの声が」
「多分感情がリンクしたんだろうな。波長が運命的に会う場合、あるんだ」
「あたしとミキが、運命」
「そうだ。お前たちは親友だったんだろ。昔からの、有名だぞ」
え。嘘。まあ、ここまで大騒動になれば私の過去も漁られるか。まるでゴ
シップニュース扱いだな。はあ。
『早紀子、聞こえる? ねえ。犯人は武田さんなのよ』
「来栖。同じことを考えてない限り気持ちは届かない。今のは聞こえていない」
『そんな』
私たちは人気のない教室になんとなく入る。昼休みが終わる前にどうにか話したいところだ。早紀子は未だ泣きながら雪城を見ている。その後すぐうさぎのような目であちこちを見ているのは、きっと私の居場所を探してるからだろう。
「雪代くん。ミキはこの部屋にいるのね」
「ああ。いる。そしてさっきの声はあいつの本心だ
「あたしがいなくなって寂しいって思ったらあたしを残していってごめんって聞こえたの」
「それがあいつの本心だろう。そんなことを考えるやつがいじめをするか?」
早紀子が首を横に振り、笑った。私もホッとして笑う。
『早紀子、やっと笑ってくれた』
「絶対あり得ない。ミキのあの行動はなんらかの意味があったんだ」
うんうん、と私は首を縦に振りながら泣きじゃくった。
『ずっとそばにはいれないけど、死んでも私は早紀子の親友でいたいよ』
「私もだよ。永遠の親友はずっとずっとミキだけだよ!」
どうか。少しでも私のいない人生に幸があるように祈るけれど。
それでも私を、忘れないでほしい。
楽しかった事だけじゃないけれど、私は天国へ行っても忘れないよ。
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