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「嬉しい。私で……よければ(いつき)くんのお嫁さんにして?」 「萌香(もえか)ちゃんがいいんだ。ありがとう、大切にする!」 恥ずかしがる萌香(もえか)を抱きしめて、(いつき)は本当に嬉しそうだ。 「おいおい!俺らの前でいちゃつくんじゃねーよ!」 「そうだ。園長に見つかったら戒告になるかも知れないぞ」 「まあまあ2人とも。(いつき)はイイやつなんだからさ……グスッ」 自分の気持ちを押し殺して(いつき)をかばう(りゅう)だが、正直なところ萌香(もえか)のその熱い視線は自分が独り占めしたいのにと、小さな乳歯で歯ぎしりした。 「あ、(いつき)くん。ほら、3人がグズりだしちゃったからその話はまたあとで……」 「グズッてんじゃねーよ!抗議だ抗議!こいつと付き合っていながら俺にも優しくしやがって!」 「あらあら、お腹空いたのかな?岳人(がくと)くん?」 「俺だって、君との未来は考えていたのにな」 「雅也(まさや)くんはさっきからなんの本見てるの?ああ、浦島太郎ね」 まるで伝わらない言葉に2人は地団太を踏…… まだちゃんと歩けないのでモミジのような小さな手で床を叩いた。
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