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「で?今日はその萌香はどこなんだよ?」
「他の男といたよ。ま、そのうちこっちにも顔出すだろ。あちこち見境のないことだ」
岳人と雅也はあきれたようにため息をついた。
「まあ……。もう僕らに望みはなくなったってことでしょ。思うところはあるけどさ、祝福してあげようよ?樹とのこと」
竜だけは悲し気ながらも笑っている。
つい最近まで3人は知らなかったのだが、萌香は半年ほど前から友人の1人である樹と交際していたのだ。
今一緒にいる他の男というのも、おそらく樹なのだろう。
「でもよ。一緒に飯食って遊んでさ。しょっちゅうそんなことしてたら好きになるだろ、普通」
「それは同意する。俺だってそうだったよ」
岳人も雅也も露骨に落ち込んでいる。
同じ気持ちでいた竜もまたそうなのだが、樹とは仲がいいし、彼のいいところもたくさん知っている。
樹が萌香の相手なら、自分たちに勝ち目はない。
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