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僕は死んだ。僕は僕が殺した。いや、もっと前から殺されていたのかもしれない。
僕は彼女を憎んでいた。僕は自分を生きたかったのに彼女はそれを許してくれない。最期は自分らしい姿で死にたかったから自分で服を選んだ。小説に言葉を書き遺した。
僕は彼女を愛していた。彼女とこれからも生きていきたかった。だけど彼女には僕のために生きてほしくなかった。僕なんかのために彼女の選択肢を使わせたくなかった。愛する彼女が選んでくれた服を最期に汚したくなかった。
いつから死ぬことを考えていただろうか。ずっとこんなふうに考えていたわけじゃないことだけは分かる。彼女との未来を思い描いていたときもあった。だからいまの自分の思考が自分のものじゃないように感じるのに、どうしても考えてしまう。彼女と一緒にいると僕は僕じゃなくなる。彼女と一緒にいたいのにいたくない。
僕はおかしくなってしまった。こんな僕と君は一緒になっちゃいけない。
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