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「ッ俺もイク……!」
俺がイッたあと、二、三回腰を振ってシンジも俺のナカでイッた。ゴムは付けてなかったみたいだから、中出しされたときのあったかい感覚が広がるのを期待してた……ら、
「あれ……?」
「ふうーっ、良かった? 葵」
ズルリと俺のナカから抜かれたシンジのモノを見たら、ベトベトのソレにはしっかりとテカテカのコンドームが装着してあった。それにしても、萎えてもこんなにデカイとか……。
「い、いつ、着けた?」
「何、ゴムのこと? いくらでも着ける機会はあったけど」
「全然気付かなかった……」
「そりゃ、モタついて相手待たせるわけにはいかないじゃん?」
「手慣れ過ぎだろ……」
少しムカついて、俺はぷいっとシンジから顔をそむけた。――あれ、俺なんでこんなことでムカついてんの? 俺だってビッチのくせに、こんな態度、ありえねぇじゃん。
「葵」
「………」
シンジの指がさらりと俺の髪を撫でた。拗ねてんのがバレるのも恥ずかしいので、俺は無表情に戻して素直にシンジの方を向いた。
「妬いてくれたの?」
ダメだ、バレてる。しょうがないから、俺は素直に気持ちを吐露することにした。
「……なんか少しだけ、面白くなかった。そんだけ」
「何それ、少しは俺のこと好きになってくれたの?」
「わかんねーよ、そんなの……」
「ははっ、何だろうな、この物凄い脈アリ感」
「うるせぇ……」
俺はまたシンジからプイッと顔をそむけた。なんか自分の行動と言動が恥ずかしすぎて、シンジの顔が正面から見れない。
なんで? 俺、ずっと小野先生のことが好きだったはずなのに。
なんか、今は……
「あーおーいー」
「………」
「葵ちゃん、こっち向いて?」
「………」
「俺の可愛いウサギちゃん、可愛い顔を見せてくれよ」
「はっ、恥ずかしいんだけど!?」
モテ男っていうのは、こうも甘い言葉を簡単に吐けるもんなんだろうか? 俺も理音くんもわんこもみんなそれなりにモテる方だけど、なんというか千歳シンジは俺達とはモテ男のレベルが違い過ぎる……。
するとベッドがぎしっときしんで、シンジが更に俺との距離を詰めてきたのが分かった。耳にかかった髪の毛をさらりと撫でられて、耳に息を吹き込まれるように囁かれた。
「ねぇ葵、俺に付けこまれる気があるかないかだけ教えて……?」
「……ッ」
――アンタこそ、こんなビッチに入れ込もうとしちゃっていいわけ?
まあこう見えて、俺結構一途だけどね。小野先生に惚れてる期間中は、ほとんど誰ともエッチしてなかったし。
俺は思い切ってシンジの方に顔を向けると、その首に抱きついて少し強引なキスをした。俺の突然の行動にシンジは一瞬だけ戸惑っていたけど、すぐにキスに応えてきた。
「ンッ、ンンッ、チュプ、クチュッ、ジュプ……」
お互いの息と唾液が混じり合う激しいくちづけを交わしたあと、俺は小さな声で言った。「……付けこむ隙は、与えてやるよ」
するとシンジはニヤリと笑って「それ、付けこんでくれって言ってるようなもんだよ? 今更後悔しても遅いからね」と言った。
そうだよ、付けこんでくれって言ってるんだ。
好きな人に振られても涙一つ流さない俺に、アンタみたいないい男がどれだけ入れ込めるのか、見物じゃん。
「そっちこそ後悔すんなよ」
「しないよ、俺の可愛いウサギちゃん♡」
……だからぁ、その甘ったるい呼び方をやめろっつーの!!
宇佐木くんの恋【完】
もう一つ、千歳×宇佐木の番外編が続きます~。
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