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普段なら知らない人と話したりしない。
きっと今日の私はどうかしている。
知らない人の車に乗るくらいに。
「たまに見ていた」
「はぁ」
「お前をな」
「えっ?まさかストーカーですか?」
「かもな」
もう現実逃避した方が良いと思うくらい、心臓がやたらと煩い。
左側を見れないのは、横顔さえ隙がないくらい整った顔をしている人が居るから。
それに、爽やかな柑橘系の香り。
クラクラしてくるのは、慣れない状況に脳が混乱しているから。
だけど思う。
オーダーで仕立てた様な高級スーツを着ている人が何故私に声をかけてきたのかと。
『たまに見ていた』と言われたけど、何か変な行動を私はしていたのだろうか……?
やっぱりよく分からない。
それにもう話しはないのか黙り込んでいるから、窓から流れる景色を見ていた。
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