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車に乗って着いた場所は、メリケンパークオリエンタルホテル。
「どうしてホテルですか?」
「5日前から泊まっているからだ」
「なら、私は帰ります」
「帰さないと言ったら?」
「無理です」
グゥー。
「腹の方が素直だな」
「もぉ、食事だけですからね」
車から降りてすぐに腰に手を添えられたから、どう反応して良いのか分からない。
だけどエスコートされている様に私の足が動く。
ドクンドクンドクンと口から心臓が出るくらいに緊張してくる。
ホテルの中を見る事も出来ないくらいに場違いだと思ってしまう。
夢を見ている様な気がして左手で頬を抓ってみた。
「痛ッ!」
『ふっ』と隣から聞こえ斜め上を見ると視線が合い更に心臓音が激しく鳴る。
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