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「ところで退職届を出した理由は?」
「やってない事をやったと言われたから」
「抗議はしたのか?」
「分かってないな。この世の中は理不尽で不平等なの。それに学歴社会だから高卒の私が何を言っても信じてもらえないの」
多分、私は酔っている。
そんなに飲んでないのに。
「確かに雅の言う通りかもな」
「二階堂さんのお仕事は?」
「煌志だ」
「呼び捨ては無理」
「犯すぞ」
僅かに右の口角を上げた顔を見てクラクラする。
「俺の名前は?」
「煌志さん」
「どうやら犯してもらいたいんだな」
首を横に振ると更に酔いが回った様に思う。
こんな時は酔って記憶をなくした方が良いのかも。
「部屋に行く」
意味が分からず首を傾げる。
「雅は、確信犯だな」
会計を済ませた後私の右手を左手で繋いだ煌志さん。
『ご馳走様でした』と言うと頭を撫でられた。
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